秩父札所とは？
秩父札所三十四ヶ所観音霊場は、西国三十三所・坂東三十三所と並ぶ「日本百観音霊場」を構成する霊場です。
秩父山地一帯に広がる三十四の札所は、約1,300年の歴史を持つ巡礼地と伝えられ、古来より多くの人々が“願いを観音さまに託す旅”として歩いてきました。
西国33・坂東33・秩父34を巡ることで百観音の満願が叶うとされ、「諸願成就の巡礼」として広く信仰を集めています。
歴史と成り立ち
古代〜中世：山岳信仰を源流とする霊場
秩父の険しい地形は、修験者や行者の修行の場として古くから知られていました。山中で祈りを捧げる山岳修行の道が、観音霊場としての始まりと言われています。
室町〜江戸：庶民に広がる巡礼の道へ
室町時代には既に札所の巡礼が行われていたとされ、江戸時代に入ると、町場から歩いて巡れる近距離の巡礼として人気が高まりました。札所間を結ぶ巡礼路（遍路道）が整備され、茶屋・宿場が生まれ、地域の文化とともに栄えていきました。
近代〜現代：祈りと観光が融合した癒しの巡礼へ
自然豊かな環境、素朴な寺院、人々の温かいおもてなしが、現代では「心を整える旅」として再評価されています。森の香り、苔むした石段、静かな山里の風景は、歩く瞑想のような巡礼として多くの参拝者を惹きつけています。
札所巡りの特徴（秩父が他の霊場と違う3つの魅力）
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変化に富む自然と地形が魅力
市街地、里山、渓谷、森林、山寺など、景色が大きく変わることが秩父札所の特徴です。三十四ヶ所すべてに違った趣があり、歩くたびに新しい発見があります。 -
巡礼しやすい距離とコンパクトな配置
三十四ヶ所は秩父地域内にまとまっており、徒歩のみなら4〜7日ほど、車・バス併用なら1〜3日で巡れるため、現代人でも達成しやすい巡礼として人気です。 -
観音さまの尊像が多彩
各札所には、千手観音、十一面観音、馬頭観音など、それぞれ異なる観音さまが祀られています。御利益や表情の違いを楽しむ観音さま巡りができます。
巡礼ルート概要（エリア別）
● 1〜10番：秩父市街地エリア
アクセスが良く、初心者でも回りやすい寺院が多いエリア。歴史的建造物や市街地の風情も楽しめます。
● 11〜20番：山里と自然を感じるエリア
田畑、小川、林道が続き、秩父らしい里山の景観が広がります。歩く巡礼の魅力が最も感じられるゾーンです。
● 21〜34番：奥秩父の深山エリア
山道が多く、まさに霊場らしい趣。険しい地形の中に佇む寺院が多く、巡礼のクライマックスにふさわしいエリアです。
初めて巡礼する方へ（楽しみ方のポイント）
■ 順番通りでなくても大丈夫
秩父では、巡礼は「行けるところから一歩ずつ」が基本です。1ヶ寺だけの参拝でも立派な巡礼です。
■ 御朱印集めも大人気
秩父札所専用の御朱印帳があり、三十四ヶ所すべて揃えると大きな達成感と記念になります。
■ 無理のない距離で巡るのが鉄則
歩きが苦手な方は、車・タクシー・バスと組み合わせて回るのがおすすめです。「半日だけ」「気になる寺だけ」など自由に選べます。